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膨大なデフレギャップ

2010/09/03 20:23

 

 

 内閣府の最新調査によると、2010年の4~6月期の日本のGDPギャップ(日本の需要と潜在的な供給量の差を示す値)は、-4.8%になったという。金額に直すと、年換算で25兆円程度となる。93日 朝日新聞朝刊より

 

 GDPギャップとは、需給ギャップとも言う。これの意味するところは、生産能力の過剰、逆から言えば、需要不足である。人間でいえば、育ち盛りの子供が十分に食事を摂らずにいるような状況である。せっかくの成長期にも関わらず、十分な栄養を摂らなければ、身体は成長しない。これは自明の論だが、こと経済の問題になると俗説が蔓延り、正論が通らない傾向にある。せっかく成長できる潜在力があるのに、そのチャンスを逃すことは勿体ないに決まっている。経済は、常に成長を目指すものであるし、日々日本人が一生懸命に働いても、全然成長しない社会では働きがいもないだろう。諸外国は日本が低迷している間にGDPを大きく伸ばした。日本は成長しないという思い込みを捨て去るべきである。

 

 最近の経済情勢を見ると、円高、株安、債権高(国債の利回りが1%を下回る日が続いた。この稿を書いている段階では、1.105%)となっている。日本の国債債務残高は巨額であり、ギリシャのような破綻も叫ばれるが、破綻する国家の通貨が安くなり、債権金利が低下したりする例はない。逆ばかりである。通貨高、債権利率の低下は、少なくとも、その国家が信頼されていることを意味する。全くの信頼を失った国家の債権や通貨を誰が買うであろうか。売り浴びせられることが、金融市場の常である。つまり、日本の現状は、国家破綻寸前の姿ではないのだ。それはシビアである金融市場が如実に表しているから確実だ。

 

 では、株安はどのように説明すれば良いだろうか。これは、上記の需給ギャップに答えがある。日本の国内市場が縮小していて、いくら優れた生産技術を持っていても、その力をフルに活用できていないことが一番の原因である。日本の需要、つまり消費が落ち込み、企業の売上が下がり、従業員の給料も下がる、正にデフレスパイラルである。日本人の所得が全然増えていないのだから、国が豊かになる道理もない。日本人が活発な消費が出来る様に、大幅な政府支出が必要なのである。

 

 政府支出といっても。ケインズが例示したような単なる支出(穴を掘ってまた埋めるといった行為)ではなく、有効な支出が必要だ。具体的には、耐震工事の推進、校庭の芝生化、最低賃金上昇のための補助金、こども手当だけでなく、国民全体への手当(特にバブル崩壊後の経済的に不遇をかこった世代に)、森林の再生と国内木材消費の推進、国際共省力を持った港湾整備などいくらでも挙げられる。要は、政府が大胆かつ緻密に確かな政策を実行することに尽きるのである。財源は、豊富なデフレギャップを埋めるためにも政府紙幣や無利子国債などを使えばいい。デフレギャップが生じているのに、政府紙幣や国債の発行はインフレを招く、という言論があるが、デフレ状況でインフレを目指すのは当たり前である。穏やかなインフレこそが、経済成長の要である。日本のエコノミストの多くは、インフレを極度に恐れる様だが、この物資の豊富な日本でそう簡単にハイパーインフレなど起きる訳がないのである。政府が、思い切った積極財政を貫き、確固とした政府支出を行えば、日本経済は甦る。

 

 現在民主党の代表選が行われている。小沢一郎幹事長は、積極財政を唱えている。亀井前金融担当大臣も積極財政論者である。日本経済にとっては、こうした人物が日本経済を牽引した方が、確実に良い結果を招くだろう。小沢や亀井には色々な問題があるが、少々の悪徳も、国民を幸せにすれば帳消しにできる。「小善は大悪に似たり」と古の言葉がある。小さな正義感は国を滅ぼす。清濁併せのむような人物でなければ、政治の難局は乗り切れないことは、歴史が証明するところである。

 

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経済再生へ、首相の決意はあるか。

2010/03/12 23:21

 

 3月12日の参院予算委員会で、鳩山総理大臣が法人税の減税に言及した。法人税の減税は以前から主張されており、目新しさはないが、減税路線は正しい。企業だけでなく、個人にも減税は必要だ。

 

 現在の日本経済は、完全なるデフレーションであり、消費が凍ってしまっている。いくら企業が安売りを仕掛けても、凍りついた消費者は財布の紐を緩めようとはしない。こうした状況で景気回復、更には財政再建などは到底不可能である。国民が積極的に消費できるように政府の強力なバックアップが必要不可欠である。景気回復に対して政府が出来ることは限られてくるが、効果は絶大だ。
 
 代表的な方法は、減税と政府支出だ。この二つは常套手段であり、しばしば行われる方法である。日本でも過去度々行われた。しかし、日本の景気低迷は長期化して現在に至っている。この原因は複合的で一概には言えないが、大きな原因として政府や日銀の失政がある。過剰流動性によってバブル経済を現出し、過度且つ長期に亘る金融引き締めによってバブル経済をハードランディングさせ、その後も引き締めを続けた。その結果、日本経済は自立回復の兆しを摘み取られ、何回かの回復局面でも出鼻を挫かれて結局、今に至っている。
  
 この長い不況を脱するには、政府の強いメッセージが欠かせない。経済成長が安定化し、GDP成長率が数年間に亘って続くまで政府は責任を持つ、という様な内容を首相が表明するべきなのである。そのための手段が減税であり、財政支出である。そのための原資は、ベストは政府紙幣であり、次善の策として国債でも良い。

 

 この原資を用いて、景気を回復させ、成長軌道に乗せる。自律的な回復を実現させるには、企業と家計(国民)を元気づけなければならない。要は、民間部門を活気付けるのである。

 

 民間部門は、客観的なデータだけではなく、社会の流れ、世論によっても大きく動く。心理面が大きなウエイトを占めるのである。成長が続く、と皆が思えば投資は続き、景気は良くなる。成長しない、と皆が思えば手元に現金を置くようになり、景気は冷え込む。日本は後者に該当していて、これをデフレ期待と呼んでいる。

 

 これは、皆が物価はこれから下がるから、消費は後回しにしよう行動するという状況である。物価は客観的に決まるばかりではなく、人々の思惑、気持ち、不安、熱狂といった極めて情緒的な要因によって決定する場合も多い。

 

 バブル景気などはこの最たる例で、地価と株価は永遠に上昇すると、皆が思っていたからこそ上昇し続けたのである。

 現在はバブル時代の真逆で、物価はいつまでも下がり続ける、と皆が思っている。実際は両極端で、上がり続けることも下がり続けることもない。こうした市場の誤りを訂正するには、政府の適切なマクロ経済政策と強い決意が必要である。

 

 鳩山首相には、こうしたリーダーシップが求められるが、なかなか厳しい情勢である。国民を安心させ、日本は今後も発展していく、という明確な指針を与えることが最高権力者の仕事であり、こうしたリーダー以外では日本再生は考えられない。
 

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ボトムアップで景気回復!

2010/02/14 15:30

 

 供給が需要の決定要因である、という考え方を「セイの法則」という。供給が100あるとすれば、応じて需要も100となる訳だ。このメカニズムは、明らかにモノ不足時代の経済学であり、現在の日本には当てはまっていない。モノ不足の北朝鮮やアフリカ諸国の場合ならば、需要が供給を大きく上回るから、供給が増えれば増えるほど需要、つまり消費も増加し「セイの法則」も成立する。

 

 しかし、日本はそうした状況にはない。供給は需要を大幅に上回り、供給をこれ以上増やしたとしても在庫が積みあがるだけだ。この状態を打開するためには、需要を増やすか供給を減らすしかないが、供給を減らすことはすなわちリストラであり、景気悪化や失業をもたらす。現状でも厳しい日本経済が、これ以上悪化すれば、国民は到底耐えられない。従って、需要を増やして経済を良化させるほかないのである。  

 

 では、需要を増やすためにはどうすればすべきか。この解はいくつか考えられるが、筆者は個人と世帯の所得の底上げがベストだと考えている。真面目に労働しているが、その努力が報われていない人々に政府が救いの手を差し伸べるのである。この施策は、社会福祉と経済活性化の二つの狙いを持つ。一般的に低所得層は、所得の増加に対する消費の割合が大きい。つまり、入った分だけ消費するのである。これは消費の活性化にもなり、有効な投資とも言える。弱者救済と経済活性化という一石二鳥を果たせるのである。  

 

 具体的には、労務難となっている介護士や類する職の給与水準の向上。国の暫定的な補填による最低賃金の底上げによる、最低時給1000円以上の達成などが考えられる。つまり、国民所得を底上げ、ボトムアップを図るのである。国民に直接マネーを供給し、消費を活発にすると共に、貧困対策、格差是正を行うのである。

 

 この点で民主党の掲げる「子ども手当」は的を射ているが、対象が15歳以下の子どもがいる家庭と限定されており、国民間の不公平感が大きい。  国民に等しく恩恵を及ぼす施策でなければ、公平さが保てず、国民間の対立を煽ることになりかねない。あくまでも、真っ当な労働に対する成果としての報酬でなければいけない。

 

 週に5日フルタイムに働いても、生活保護以下の所得しか得られない「ワーキングプア」を生み出す社会は真っ当ではない。日本は自分たちの為にもっと投資するべきなのである。

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日経報道による日本の財政

2010/01/24 15:38

 

 H22年1月22日付けの日本経済新聞によると、日本の純債務のGDP比率が2010年には100%に達し、先進国で最悪の水準になるとのことだ。 
 

 従来の報道は、単純に債務のGDP比率を伝えていたので前進したとも言える。だが、記事をよく読むと結局はこのままでは財政破綻であり、消費税を増税をした方が良いのではと匂わせている。また、この記事の図表を見ると日本の財政が95年以降急激に悪化していることが分かる。金融危機が叫ばれた97年よりも現状は悪いのである。 
 

 本ブログの主張でもあるが、元々財政破綻間際ではなかったのに、財政危機であると事実誤認して政策が実行されたことに最大の問題がある。言い換えれば処方箋の間違いと、薬の服用方法を誤ったのである。 
 

  では、ここまで危機が迫った日本財政は手の打ちようがないのだろうか。そうではないのが筆者の主張だ。日本には莫大ななデフレギャップが存在している。デフレギャップとは、供給に対する需要不足である。モノに対してマネーが強い状態とも言える。マネーが強すぎるのだからマネーを増やして弱めれば良いのである。日銀は金融緩和を行い、政府は積極的な財政政策を行う。貧困層の底上げや雇用創出などは確実に需要を増やす。貧困層には潜在的な需要がある。モノを買いたくても買えない人々がモノを買うようになれば良いのだ。これこそが有効需要の創出である。 
 

 しかし、積極財政を行おうとも元手が必要だ。国債に頼るばかりではいけないし、増税などとんでもない。解は政府紙幣の発行である。政府紙幣発行とは、政府が自身の権限を使い紙幣の保有量を増やすことである。これを一般人が行えば紙幣の偽造であるが、国には権限があるので問題無い。インフレの懸念もあるが、デフレギャップが存在している内はインフレリスクは問題無い。こうして元手を作り、必要な政策を実行する。景気を回復させて財政を再建する。国民生活を破綻させての財政再建などは本末転倒の極みである。 

 政府紙幣については今後も検討していく。
 

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日航の行方

2010/01/19 00:13

 

 日本航空再建は茨の道となる可能性が高い。その理由は主に二つある。

 

 一つ目は、航空行政の失政が曖昧のまま見過ごされていることである。日航がここまで酷い状況になったのは、勿論日航の経営が杜撰だったこともあるが、非合理な航空行政の責任も大きい。極めて甘い見通しの元で次々と空港が建設され、不採算路線がどんどん就航した。当然損失が累積し、ドル箱である羽田空港路線への負担は増し、利用者は高い発着料を払わされた。地元住民も空港維持費を末永く負担することになった。潤ったのは、地元の建設業や不動産業、政治家といった所である。天下り先を増やした国交省、旧運輸省も大きな利益を得た。こうした受益者の責任はきちんと追及されるべきだが、あまりに責任が広範囲に渡るので難しいものがある。日本の行政は、こうした集団無責任体質とでも言うべき体質がある。当時の責任者はとっくに退任している、という図式である。

 

 二つ目は経営体制だ。新CEOには京セラの創業者である稲盛和夫氏が就任予定だ。稲盛氏が超一流の経営者であることは間違いないが、高齢であり、なにより航空業界は専門外である。新COOは社内から選出するようだが、大リストラをしがらみに囚われず断行できるか疑問が残る。また、稲盛氏は民主党との強いパイプがあるが、民主党の政権陥落、内部抗争といった政治リスクも大きくなる。かつても日航は、鐘紡元会長の伊藤淳二氏を経営者として招いたが、結局は志し半ばでの途中退任となった。

 

 今挙げた二つの懸念は、大まかなものであり、細かなものはもっと多い。それほど日航は難題を抱えている。筆者は、この難局を克服するためには、デルタかアメリカンから一線の経営陣を迎えるほかないと考える。世界の航空業界を知悉し、日航を再興させて本国でトップに立とうとするような人物ならば、本気で日航を再建させられる筈だ。国は安全策を万全にとるように厳しく監視するが、経営には干渉しないようにすれば適切な歯止めになる。従来の延長線上にあるようなプランでは日航再建は到底不可能である。労働組合がいくつもあるような体制一つをとっても日航問題の根深さが知られよう。

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日本政府の財政

2010/01/17 11:56

 

 

 日本政府の財政は危機的であるとよく言われる。確かに、税収の落ち込みや国債の大量発行などは大きな問題である。だが、日本政府の財政が直ぐにでも破綻するかのような言説は明らかな誤りだ。また、アルゼンチンのように債務不履行が生じる状況にもない。
 

 その理由は、日本政府は対外債権国、つまり外国に投資や貸し付けを行っている国であり、莫大な資産を有していることにある。日本政府は借金も多いが、資産も多いのである。従って、国債残高を単純にGDP比で算出するのではなく、負債を資産で引いた純資産を基本とするべきである。
   

 こうして財政を考える。日本銀行の資金循環統計を参照すると、日本政府の資産は約500兆程あり、負債は1000兆超近くある。つまり純資産は約500兆で、これはGDPとほぼ同等だ。良い数字ではないが、絶望する程ではない。これほどの長い不況が続いたことを思えば、まだまだ底力を有しているとも言える。
 

 やはり経済成長を通じて名目GDPを拡大し、税収を増やしてプライマリーバランスを均衡させるほかないのである。膨大なデフレギャップを縮小すれば、自然に経済は成長路線に乗る。現在は需要が足りない状況であり、需要を増やす政策を実行すれば良いのである。それには雇用創出が第一で、次に国民の生活水準を向上させることである。この原則に沿って積極的な経済政策が実行されるべきである。

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国債は国民の負債ではない!

2010/01/10 08:27

 

 よく耳にする報道の一つに政府の国債残高がある。建設国債と通称赤字国債が該当する。建設国債は法によって定められたものであり問題ないが、赤字国債は財政法によって禁じられており、毎年特例法によって発行されている。近年は特に赤字国債依存度が高く、今回の予算編成では遂に税収を上回ってしまった。これは異常事態であり、日本経済は誤った政策により危機を迎えている。 
 

 誤った政策はバブル経済以前から始まっている。大幅な金融緩和と円高による過剰流動性と資産バブル。今度は強い金融引き締めによるバブル崩壊。その後も景気回復の芽を摘むような増税や金融引き締めが繰り返された。その結果が近年の経済停滞である。これらの責任は一個人にあるわけではなく、政府や日銀の歴代首脳陣にある。またマスコミの報道も国民をミスリードしてきた面もある。それがタイトルにある通りの国債問題である。 
 

 経済学では物やサービスを生み出したり、消費する主役を規定していて、これを経済主体と言っている。内訳は政府と家計、企業に海外の四主体である。国債は政府が他の経済主体から借りたものであり、政府の借金であることは間違いない。逆に言えば他の経済主体にとっては資産なのである。海外は殆ど日本国債を保有していないので、家計と企業が政府に資産を国債という形態で投資している図式となっている。

 

 従って、政府の借金を国民が背負っているかのような報道は間違いも甚だしい。さも国債は国民の借金であるかのような雰囲気があり、明白な間違いの認識が国民に共有されている気がしてならない。こうした誤った認識の元で選挙が行われ経済政策が実施されてはならない。まずは正しい知識を広めることが不可欠だ。

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経済成長しない日本

2010/01/07 00:53

 

 日本経済が停滞していることは、隠しようのない事実である。それは、名目GDPと平均所得が平成年間にかけてほぼ横這い、ということに表れている。名目GDPは、額面の物価であり、我々の実感によくマッチしている。小泉政権後半から安倍政権前半にかけて、いざなき景気を越える長期間の景気拡大が続いた。しかし、この間の名目GDPも平均給与も殆ど横這いかむしろ低下した。大企業の業績は好調だったが、その恩恵は大多数の国民には及ばなかったのである。
 

 この長引く不況によって、国民の士気は低下し、日本には停滞感と閉塞感が充満している。だが、この不況は失政が原因であり、諸外国は着実に成長を成し遂げている。つまり、グローバル経済下でもまともな政策がとられていれば、経済は拡大するのである。事実アメリカはかつて日本のGDPの約二倍であったが、日本が不況で苦しむ中でその差を広げ、現在では二倍を優に越える規模となっている。日本経済は完全に世界経済の成長基調に反してしまっているのである。ここでは、経済は停滞するものとの日本の今の常識が、世界からみて異様なものであるかをまずは強調したい。
 

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